132:新東京VIP LOUNGE

132:新東京VIP LOUNGE

Thu, 5th Jul — 1 note
NT|132:新東京VIP LOUNGE

待合室からの発展系

高速バスで途方に暮れるほど早朝に遠隔地についたとき、寄る辺のない人にとってネットカフェは非常に魅力的なところだ。いつ行っても開いていて、シャワーを浴びることもでき、寝ることもでき、マンガ読んで暇つぶしもでき、ネットで調べ物もでき、ケータイを充電することもできる。行くか行かないかはその人の好みの問題だが、ネットカフェは高速バスというちょっとクセのあるシステムにとってのいい受け皿になっている。

じゃあ高速バス会社がネットカフェらしきものを持てばいいじゃないか、ということは容易に想像がつくことで、今回紹介する「新東京VIP LOUNGE(店舗ウェブサイト)」もそういうようなところである。ネットカフェから個室とマンガとフリードリンクを引いたのがそれだ。またJRバスのように駅から出発するのではなく、街中で出発到着する民間高速バスに相性がいい。

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VIPライナー降車日

VIPライナー乗車日

利用日以外

※詳細はウェブサイトをどうぞ

ただ、難点は料金体系がちょっと不明瞭というところだ。基本的にバスを利用する人は出発前と到着後無料で、それ以外の(別日とかバス利用の無い)場合はだいたい1時間500円。料金のバリエーションはほとんど無いのだが、「どのラインで有料か」が分かり難い。

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ちなみにここでできることとしては、着替え、化粧、シャワー(有料500円/25分)、ごはんやお土産購入、ケータイ充電、仮眠。個室は一室のみあって、別料金がかかる。

近年ネットカフェの取り締まりがジワジワと厳しくなり、個室をよりオープンにという囲い込みが強くなってきているが、その中でも「ネットカフェ的な空間」の需要はあり、またそれを背景にして実際につくられている。喫茶店からの発展系、個室ビデオからの発展系とはまた異なる、待合室からの発展系として記憶に留めておきたい。

京都にもVIP LOUNGEがあります(no.94:VIPラウンジ)

Thu, 5th Jul — 0 notes
131:マンガ喫茶ぷれーりー

131:マンガ喫茶ぷれーりー

Fri, 15th Jun — 1 note
NT|131:マンガ喫茶ぷれーりー

オールドスクールなマンガ喫茶なのにパック料金がある

愛知県、有松。有松絞りという染色の一種(wikipediaを見てください)で有名な有松、名四国道(国道23号)のインターチェンジ、および名古屋第二環状自動車道(名二環)のインターチェンジ付近、バイパスにつながる幹線道路沿いにあるのが「マンガ喫茶ぷれーりー(店舗ウェブサイトなさそう)」である。隣は中華料理屋さんとフィリピンパブ。近くには韓国料理店。道路を挟んだ逆サイドにはニトリ、ヤマダ電気がある。もう少し東には市営住宅桶狭間荘(レポートがあった)がある。

あらかじめお伝えしておくと、ここ「ぷれーりー」さんはネットカフェではなくマンガ喫茶であり、それゆえ個室はない。24時間営業でもない。営業時間は11時から22時。土日は10時から22時。にもかかわらずパック料金がある。基本的にワンオーダーすると90分マンガ読み放題なのだが、ドリンクバーが450円なのでこれが最低料金。450円で90分。お昼はこのだいたい800円くらいで昼食がとれる。ご夫婦経営でもともと喫茶店だったせいか、料理のラインナップが多いので食事を取りにくるサラリーマン、肉体労働者が多い。営業に行く人買える人、現場行き帰りの人が多いかもしれないと推測する。

3時間で650円は途方も無く安い。ちなみに超早朝でもよければ、3時間500円という恐ろしいパックが東京はマンボーで提供されていたことがある(あった→参照:no.97)。高速バスで朝はやくついちゃった人向けだと踏んでいる。とまれ、こうしたオールドスクールなマンガ喫茶なのにパック料金がある、というシステムは、他にも愛知「リトルアイランド碧南(no.99)」さんなどでとられている。

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この店舗はいわゆる喫茶店と同じようなつくりになっていて、座席と座席の間に本棚がさし込まれている。というよりも、本棚と本棚の間に座席スペースがさし込まれているという趣。全体的に本棚が多いのだが、密集するところは密集させ、通路は通路でゆとりを持たせ給仕の邪魔にさせないという「緩急」がしっかりしている。部屋のなかがやや暗いのが残念なところ。

この店舗、個室はないのだが、長テーブルに間仕切りがつけられていて、一人分のスペースが確保されている。ラーメンに詳しい人なら、一蘭のようになっている、と言えば分かるだろうか。それが幅680。正面にはテレビが設置されていたり、パソコンが設置されていたりする。ほぼ一般的なネットカフェのオープン席なのだが、あくまでも喫茶店の長テーブルであることを邪魔しないように、モニタは壁に打ち付け、PC本体は上部に棚板を設けてそこに置いている、というところが心にくい。

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ご夫婦の趣味なのか、BGMは常にユーミンだった。居心地よし。

Fri, 15th Jun — 0 notes
NT|マンガ喫茶読茶屋

もうない

愛知県は大府市、「Cyber Cafe Freaks大府店(no.105)」の近くにあったマンガ喫茶「読茶屋」さんが閉店していました。

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Mon, 11th Jun — 0 notes
130:ゲオカフェ名古屋白金店

130:ゲオカフェ名古屋白金店

Fri, 1st Jun — 0 notes
NT|130:ゲオカフェ名古屋白金店

勤め人の昼食利用から見えるネットカフェ

愛知県、名鉄金山駅の東、名古屋高速高辻駅から程近い、川沿いにあるのが「ゲオカフェ名古屋白金店(店舗ウェブサイト)」さんである。駐車場を完備しており隣がコンビニ、またちょっと車を走らせるとイオンとスーパー銭湯がある、というロードサイドの強みを発揮させたような立地条件にある。下はGoogle Mapから。左がゲオカフェさん、右に少し見える施設は東邦ガス。街路樹の右には川が流れているが、ここからのアングルでは見えない。

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ドリンクバーあり、シャワーなし、ロッカーあり。またスロット機が三台備え付けられている。入り口に一番近いところのスペースはオープンシートで、喫茶店のようになっている。愛知のネットカフェには「店内喫茶店」のようになっているところがしばしば見られるということはちょくちょく言ってきたが(例えばno.036:Will be阿久比)、ここもそのようになっている。ちなみに同じゲオカフェでも大曽根店にはない(参照|no.124)。

「ご利用時間に応じて、一番お得な料金を計算させて頂きますので、安心です!」とある。快活クラブもこうしたシステム。ただ、「安心」とは言うものの、そもそもナイトパックが6時間までしかないところがやや心配ではある。これは「ウェブサイトに書いてないだけで実はある」というわけでもなく、本当にない。駐車場完備、シャワーなしシステム、それから店内にフラットシートがあまりないことと考え合わせてみると、この立地であまり泊まる人がいないのかもしれない。

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なお、この日はお昼の時間にササッと行ってきたのだが、平日限定でお一人さまにもペアシートが使えます、とのことだったので使ってきた。この店舗ではペアシートに扉がついておらず、のれんのような布切れで視線を隠すようになっている。「扉には小窓をつけなさい」ルールが敷かれた愛知(参照としてno.120:マンガネットラウム野並店さん)ならではの、「小窓」がついた布切れである。

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先にこのお店では宿泊する人があまりいないのかもしれないと書いたのだが、お昼に行ってみて気づくのはこのお店が昼食をとるための勤め人さんにとても人気ということだ。「店内喫茶店」スペースもそうだし、あとはプライベートシートもほぼ満席の状態。中はあまり見えないが店員さんがよく食事を持ってうろうろしていたことを考えると、おそらく中ではごはんを食べているのだろう。お昼に行って確かに昼食とっている人が多かったなという店舗としては「no.95:Be Dream富田店」さんなどがある。

夜のネットカフェには旅行者や終電を逃した人が、昼のネットカフェにはおひるを食べに来る勤め人が、それぞれ集まってきやすい。それも日本全国どこでもそうというわけではなく、そして地域差があるというだけでもなく、さらに細かく見たときの立地差によってそのあたりのバランスが決まってくるようだ。「店内喫茶店」という「愛知」の特徴と思っていたものも、そうしたバランスのなかでとられるひとつのシステムとしてとらえた方がいいかもしれないと思ったりした。

Fri, 1st Jun — 1 note
129:メディアカフェポパイ天神店

129:メディアカフェポパイ天神店

Fri, 25th May — 0 notes
NT|129:メディアカフェポパイ天神店

福岡の夜

福岡。博多駅から西へ行くといわゆる「若者の街」と呼ばれる天神エリアに行き当たる。若い人たちが街に溢れているのみならず、建物自体も「若い」というか開発が比較的多いので、割と外身はピカピカしている。同時に空き物件も多いので、ピカピカはしているけど、ところどころ歯抜けのようになっている。そんな天神にももちろん古い建物はあって、例えばスナックや飲み屋さんが店子として多く入っている独特なビルが、駅から程近いところに、しかし大通りから一本入ったところに、存在していたりする。「反転地」という濃度の高い「社会派カフェ+角打+雑貨(zine、フリーペーパー、施設商品、フェアトレード等)」屋さんも店子として入るそんな新天神ビルの、通りを挟んだ向かいにあるのが「メディアカフェポパイ天神店(店舗ウェブサイト)」さんである。

ぱっと見たところ福岡では大規模チェーンネットカフェの力が強いのかもしれないなという印象。メディアカフェポパイだけでも、福岡県で言うと小倉駅北店、市で言うと天神の他に天神北店、博多店、中州店、キャナル北店がある。数としては広島の7件に続いて中国四国九州エリア第二位である。他に「インターネットカフェサイバック」もよい物件があるのだけど、この会社は福岡に本社がある。他に自遊空間、アイカフェなども見かけた。

Google Mapで「ネットカフェ」を検索したのが以下。赤マークの全てが本当にネットカフェかどうかは分からないが、都市域徒歩圏内に密集して、その外に行くと点在する間隔が広くなる。車利用を前提としているからだろう。この差がかなり明確に分かれているところに福岡の特徴がある(のかもしれません)。

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大きな地図で見る

メディアカフェポパイだからだろうか、やや高めの料金設定とシンプルなプランが特徴的。ドリンクバーあり。以下の平面図には見えないがシャワーと、あと日焼けマシンが利用可能。日焼け用のローション(門外漢なのでこのへん疎くてすみません)も購入できる。免許証で購入できるタバコ自販機もある。

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そして座席の大きさは以下の通り。

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上の平面図を見ていただくと、この店舗それほど広くなく見えるかもしれない。もしそうであるならば、それはすごく明快な平面ゆえのことだと考えられる。実際はかなり広い。座席数にすると124席ある。ちなみに「明快」とか言われても、という人のために、「明快じゃない平面」の例をお届けすると、例えばこれ(71:MCP梅田DDハウス店)これ(049:MCPなんば西口店)などがある。

さて、この店舗には他の店舗であれば見つかるはずの「本棚エリア」がなく、グルッと外周が全て本棚になっている。ちなみにこのグルっと本棚に囲まれるという構成はココの特徴ではなく、例えば京都だと「Media Cafe Popeye四条河原町店(no.11)」が当てはまる。ただ天神店は外周のみならず、ブースの隙間にも本棚が入り込んでいる。

こうした空間構成の利点は店内に個室を比較的多く入れることができる(と思う)ということ。そして人の「たまり」を分散できる(と思う)ということ。私たちとしては、個室エリア/本棚エリアがパリッと分割するのではなく、ごちゃっと同居させている方が空間のバリエーションを見ることができるので好感が持てる。ただ利点のみではなく、本を取りにいくまでの距離が遠くなるという難点もある。どのみちあんまり動かないんだからいい運動ではないか、と言われたらもうその通りと言うしかないし、個人的にはその立場にある。

なお、備忘録的に書き留めておくと、この店舗ではドアに小窓がありませんでした。ということがいま地域特徴となりつつある。

Fri, 25th May — 0 notes
128:グランサイバーカフェBAGUS六本木店

128:グランサイバーカフェBAGUS六本木店

Fri, 13th Apr — 0 notes
NT|128:グランサイバーカフェBAGUS六本木店

眺めのよいネットカフェ

六本木。夜に外国人の方々が多く街に溢れ、一本脇道を入ると高級住宅街に入る東外苑通りのロアビル12Fにあるネットカフェ「グランサイバーカフェBAGUS(店舗ウェブサイト)」さんへ。近くには六本木ヒルズ、ミッドタウン、国立美術館がある。向かいには屋上に稼働しているのか否かよく分からないジェットコースターのようなものがくっついているドンキホーテがある。同じビルの3Fには同系列の店舗でビリヤード&ダーツができるところがあり、貼紙が「卓球もできます」と伝えてくれている。

なんば店(BAGUSなんば店 no.50)の紹介時にも少し触れたが、このBagusというお店、基本的にはとても奇麗である。そして個室しかない。各店舗座席数がとても多いところも特徴である。ドリンクバーあり、シャワーあり(ただし20分500円)、wifiは飛んでおらず、しかしコンセントは各個室にひとつある。今まで見たことがなかったのだが、携帯電話が使用できるブースのとなりにskype用のブースが備えられている。これはかなり便利だと思う。

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店内検索用のウェブサイトより

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店内は長方形の形をしており、周囲を個室が囲み、内側に本棚とその他の個室が挟まれるという形。カウンターは右下、調理場は中央の黒塗り部(ここに張り付くようにしてドリンクバーがある)に収められている。調理場がこの位置に入るネットカフェはなかなか無いのだが、ここまで広い店舗でよりよいサービスを行うためにはよい位置取りだと思われる。

六本木の夜景が見える、眺め抜群の席をご用意しております。
ちょっとおしゃれな時間を六本木店で過ごしてみませんか。 

とウェブサイトに書いてある通り、この店舗の一番の特徴として、窓から夜景が見える席がある。それも一つや二つではなく、上の平面図を見てもらうと分かる通り、壁に張り付くようにして外周に置かれた個室は基本的に全てそういう席となっている。窓から夜景が見える店舗としては大阪は心斎橋にある「cafe j net NEWNEW心斎橋店(no.002)」さんがおすすめ(写真)だが、こちらのお店は12Fの高さ(方や大阪の店舗は3か4Fだった)からぐるりと外周が見渡せ、六本木ヒルズなども見えるのでなかなかの夜景ポイントだ。これで花火などあればかなりの特等席と言えるだろう。

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一応ちゃんとカーテンもあるので、夜景など見たくないという人は静かに閉めることも可能。ネットカフェは地下であったり隣接建物が近かったりという制約、また使用する時間帯に限らず一定の環境を生み出すという制約などのために、だいたい窓を隠した上で店舗をつくることが多く、朝でも夜でも明るさが変わらないというところにひとつの特徴があったわけだが、一方で窓をそのまま窓としてエンジョイしてもらうことが「差異化」の一言で売りになるという状況がここにある。結果としてこのお店は女性客とカップル率が他では見られない程に高かった。もちろんみんな「ちょっとおしゃれ」を求めているとは限らないにせよ。

Fri, 13th Apr — 0 notes
127:漫遊堂高野店

127:漫遊堂高野店

Fri, 30th Mar — 0 notes
NT|127:漫遊堂高野店

よくできたシステム

京都は高野。京都大学のある百万遍の交差点を北にズンズン進んでいくと車のショールームが右手にみえるのだが、その隣にある、正面にたこ焼きを売っているちょっとしたお店が寄生しているところが京都のインターネット&まんが喫茶「漫遊堂高野店(店舗ウェブサイト)」さん。以前ここでも漫遊堂さんの西院店(no.019)を紹介した。線路のとなりにあって定期的になる「チンチンチン」の音が妙に味わい深い店舗であった。漫遊堂はこのふたつのみ。

上は個室料金。シャワーなし、フリードリンクもない。ドリンクは150円程度からで、二杯目からは半額。ただそれをあまりある安さだと思う。それからこのお店のメリットはアツアツのたこ焼きが食べられるというところ。これを忘れてはいけない。

そしてこれは言っておきたいのだが、二種類しか料金を書いていないのは面倒だから他のプランを省いているわけではなくて、本当にこれだけしかないからだ。他店舗だとだいたい最初の30分がちょっと高めに設定されていて、1時間いるとおおよそ500円くらいになるのだが、ここでは最初の30分めからずっと料金が変わらない。3時間いても大体1000円。この料金体系だとパック料金を設定する必要がそもそもない。それからフリータイムであるが、他の店舗だとフリータイムと称しながら「◯時から◯時まで」などとしっかり規制がかけられていることが多い。ところがここのフリータイムは1日滞在が可能、つまり1874円支払えば24時間いられるというまじりっけなしのフリータイムである。これまでの最安値は「北白川スポーツランド(no.022)」さんの18時間1200円というオバケパックだが、店舗自体がなくなってしまったのでいまのところここがベストである。

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値段は安いが個室は広い。パソコンももちろんあるし、テレビもある。3人部屋と4人部屋はカラオケボックスのような完全個室になっている。

ところでこの店舗の面白いところはお店の空間構成にある。入り口はいって目にする、本棚に囲まれたテーブルが置かれたオープンスペースエリアと、その外側に広がる、個室スペース群がパリッと分けられている。似た構成としては、愛知県の「ITCAT(no.007)」さんや「Will Be阿久比店(no.036)」さんなどが思い当たるが、これは「店舗内に喫茶店がある」であり、むしろネットカフェ部分と喫茶店部分が別物のようにある、だった。でも漫遊堂高野店さんでは、本棚を境界にオープンスペースエリアと個室スペースエリアとが融合しながらも空間的に仕分けられている。

こうなっていることで何がいいかというと、ちょっとした滞在が楽になる。個室に入るとゆっくりしすぎてしまう、という人も少なからずいると思うのだが、ここでは「そうじゃない選択肢」がしっかりとウェルカムされている。入り口を入って見える風景が全てオープン席という空間構成も、短い滞在であればあるほど不利になるフリードリンクがないというシステムも、この「そうじゃない選択肢」を上手く支えていることが分かる。

この店舗が巧いのは、こうした短期滞在者フレンドリーなシステムが敷かれていながら、長期滞在者がワリを食っていない、ということだ。さっと入ってさっと出たい人にとっても、どっしりと腰をすえてコミックを読みたい人にとっても、どちらにとってもフレンドリーなシステムが、ソフトとハードから実現されている。そのまま居心地のよさにつながるかどうかはわからないが、かなりうまくデザインされていると感じた物件だった。

Fri, 30th Mar — 1 note
126:まんがランド上野駅前店

126:まんがランド上野駅前店

Wed, 21st Mar — 0 notes
NT|126:まんがランド上野駅前店

穴蔵のようなネットカフェ

東京は上野。以前「カスタマカフェ上野店(no.113)」さんをレポートしたが、もう少し上野駅よりにあるネットカフェが「まんがランド上野駅前店(店舗ウェブ)」さん。上野駅南にある雑居ビルの9Fにあり、正面から入れるかと思いきやぐるっとひとまわりしないと入り口にたどり着けない。その「ぐるっと回る」途中に一件別のネットカフェがあるので注意が必要。なお、まんがランドさんは典型的な関東系ネットカフェで、東京、神奈川、千葉、埼玉のみ。ただ東京には、というか上野には「上野店」「上野駅前店」「上野御徒町店」と3件並んでいる。ちょうど大阪はなんばにメディアカフェポパイが三件あるようなものだろう。

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アラビア語?

入会費100円必要。フリードリンクあり、シャワーなし、電話スペースあり。wifiは飛んでいる。電話スペースと言ったが、何かボックスのようなものがあるわけではない。単純にベランダのようなところへドアが付けられていて、そこから外へ出られる、ということだ。9Fなのでほぼ屋上に等しい。窓をふさぎ奇麗にもともとのビルが隠れるようコーティングされたネットカフェが多い中、完全に生の、剥き出しの、臓器的な屋上が「電話スペース」として解放されているというところがとても味わい深い。もうなくなってしまった京都河原町通り「まんが喫茶漫画館(no.032)」さんのトイレの窓から「連帯保証人」という看板が見えたのと結構近いハプニングである。

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特筆すべきはPC席の異様な狭さ。入るというか「はまる」に近い。この狭さ、パリ唯二の穴蔵型ネットカフェ(「manga cafe Paris(no.114)」)の感覚だ。なおこのPC席は扉の代わりにカーテンが使われている。狭くしてその上カーテンとはなんてケチなんだ、と思われるかもしれない。確かにそうかもしれないのだけど、でもこれを固い扉でふさがれでもしたら気がおかしくなるかもしれない、という可能性がある。電話BOXにかなり近い空間がノン・シースルーで出来上がるからだ。ちなみに扉の代わりにカーテンを使うお店としては他に京都は伏見の「タカラトーイ・よんで屋(no.096)」が挙げられる。ここはその他のグッズも手作りでとても味わい深い。

ともあれ、このお店は必ずしも全部狭い個室からなっているわけではない。ゆったりした個室ももちろんある。ただ、本棚が一カ所に集められているわけではなく、個室の隙間にさし込まれるようにして置かれている空間の省エネが試みられている。「ネットカフェ=個室+本棚+その他の空間」と考えたとき、本棚が一カ所に置かれているとある程度全体的にゆとりがあるのだが、このお店では「その他の空間」が極めて少ない。でもその分密着してくるような感覚があって、それが店舗全体の穴蔵性を高めている。東京は賃料が高い分こういう雑居ビルに入った狭小ネットカフェは多いが、その狭さに必要な機能を配置した結果、他の店舗にはないような空間的特徴がはからずも出てくることがある。

Tue, 20th Mar — 0 notes