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経産省の試算では原発の発電コストは建設費と再処理費用を含めても電力のキロワットアワー(kWh)当たりで5.3円、日本の発電コストの平均は6.7円になる。一方で自然エネルギーは太陽光で47円以上、風力9-12円、バイオマス発電12.5円、地熱22-20円と高い。

建設費も高額だ。電事連(電気事業連合会)によれば発電能力130万kWの原子炉は1基3500億円程度。同じ発電能力を持つには住宅太陽光(3.5kw)では愛知県の世帯数と同じ360万世帯での設置と10兆円以上の投資が必要だ。風車は約1万機が必要で琵琶湖1つ分の土地が必要となり建設費も1兆円程度かかる。

2003年に電気事業連合会は使用済み核燃料の再処理費用の見積もりを今後80年間にわたり総額18.8兆円と試算した。再処理はまだ実施されていないが、楽観的試算と批判されている。大変な巨額だが、他のエネルギーのコストも直視しなければならない。石油が史上最高値となった08年に日本は23兆円の石油を輸入した。この額は「製造業御三家」の鉄鋼、自動車、電子電気の輸出額とほぼ同じだ。今後は新興経済国の需要の増加でエネルギー価格の高騰が見込まれ、石油・化石燃料に頼ることはできない。

推進派の試算であることは考慮しなければならないが、自然エネルギーのコスト面の厳しい現実が分かるであろう。経済性から考えれば、急速な脱原発は現実的ではない。代替案のないまま「原発を止める」選択は日本経済の縮小しかもたらさない。原発の発電を維持しながら、省エネを進め、自然エネルギーの能力の向上を待つのが合理的な策だ。

原発の未来、国民的合意の期待 ― コストに注視を   ‐ 石井孝明 : アゴラ - ライブドアブログ

 

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