最近、「スマートテレビ」という言葉をよく聞きます。
スマートフォン、タブレットと来て、デジタル端末の次の焦点はテレビになりそうです。いや、もしもテレビがデジタル化の先にあるネット化・ソーシャル化にうまく乗れないと、多くの家庭からテレビがなくなる可能性があります。今のままだと、かなりの確率でそうなりそうです。
テレビのデジタル化のメリットは、高画質化、多チャンネル化、双方向化だと言われていました。そのテレビがインターネットにつながると、何がどう変わるでしょうか。
オンデマンド化
まず可能になること、そして求められるのは、やはりオンデマンド化だと思います。観たい番組を自分の好きな時に観られる。これはやはり大きなメリットです。できれば過去の番組資産も含めたライブラリーに、格安の料金でアクセスできるようにしてほしいものです。
アプリ
スマートフォンやタブレットからの連想で言えば、アプリケーションをインストールすることによって、機能を拡張できること。これも、インターネットを日頃から使っている我々にすれば当然の要求と言えるでしょう。
コメント機能
「キラーアプリ」になりそうなのが、Twitterやニコニコ動画(とりわけニコニコ生放送)にあるようなコメント機能でしょうね。みんなで言わばツッコミを入れながらテレビを観る。今後は、これが当たり前になることでしょう。お茶の間で家族があれこれ言いながらテレビを観ていたのが、いわば社会全体に拡張される感じですね。
シェア
さらに番組を観たあとは、その感想をブログに書いたり、ソーシャルメディアで紹介したり、というのが今以上に一般的になるでしょう。今でもYouTubeの再生窓をブログに貼り付けているのをよく観ますが、テレビとネットの結びつきがさらに強固になれば、テレビ番組についても同様のことが起こるはずです。その際、観る側はテレビに限らずパソコンであれスマートフォンであれ、任意の端末で視聴できることが重要です。
関連情報の表示
よく言われる「出演者の服や持ち物をオンラインショッピングできる」といった機能は、あまり欲しいと思いませんが(笑)、それを含め、これからのテレビは情報面でさらにリッチなものとなるでしょう。出演者の過去の番組履歴が観られるとか、類似のテーマの番組のリストが出るとか、番組に関連したネット上の記事へのリンクが出るとか。
さてこれらが現実化すると、番組のあり方そのものもこれまでとは変わってくるはずです。それが具体的にどんなものになるのかを占う力は、私にはありません。ただ、これまで以上にターゲットを絞ったものとなり、そして尺の短いもの(10分からせいぜい25分程度)と討論やスポーツ中継・イベント中継など極端に尺の長いものに二極化することは、きっと間違いないでしょう。
自分は、10代の頃、読書もたくさんしましたがテレビもかなり長時間観て育ってきました。ただ最近はテレビっ子ならぬウェブっ子(というか「ウェブオヤジ」でしょうか)になっています。そんな私から見て「これくらい、あって当然でしょ」というものすらスムーズに実現できないようでは、テレビ不要論に傾かざるをえません。テレビ局の人を始めとするテレビ関係者には、危機感を持ってテレビを生き返らせてもらいたいものです。