前回記事の続きです。今も進む「非婚化」。その原因は何でしょうか。
よく「結婚しないのか、それとも結婚できないのか」という論争(?)があります。特定の個人について100%どちらかと割り切れるケースはむしろ少なく、結局は水掛け論になってしまうように感じます。なので、本記事ではこの話題はパスしますね。
さて、世上非婚化の原因として挙がる理由には、次のようなものがあります。
- 女性の社会進出
- 男性の非正規労働者が増えた
- コンビニなどにより、独身者でも生活に不便しなくなった
- 結婚への社会的プレッシャーがなくなった、あるいは薄らいだ
- 親(あるいは友人・先輩)の結婚生活を見て、結婚に幻滅している
- 「お見合い」が廃れた
昭和時代には、「女はクリスマスケーキ」という言い方がありました。24までは価値があるけど、25を過ぎると価値が暴落する、というヤツです。一定年齢までに結婚するのが当たり前(「結婚適齢期」なんて言葉もありましたね)で、それを過ぎるとヤバい、という感覚が、当人にも、親など周囲にも濃厚にありました。
平成になってみると、そうした感覚は急速に薄れましたね。特に都市部では。そして結婚しないまま年齢を重ねる人が珍しくなくなってくると、ますます「結婚はして当たり前」という感覚が希薄になっていきます。その結果が、よくアンケートなどで言われる「結婚するつもりがないわけではない。いい人が現れれば結婚したい」という回答につながります。それはつまり、いい人が現れないうちは結婚しなくてもいい、ということでもあるんですよね。
こうした切迫感や「結婚して当たり前」という感覚の消滅が、非婚化の根底にあるように私には思われます。一言で言えば、結婚が人生のライフコースにおける「オプション」になってしまった、あるいはなりつつあるということかと。自分自身のことを考えても、成人して以降女性と付き合うことになれば当然結婚は意識するわけですが、「何が何でもこの人と結婚する!」と考え、行動したことはなかったですねぇ。その結果が、40歳過ぎてまだ独身、というていたらくなわけですけど。
女性の場合、結婚はともかく妊娠・出産には年齢的なリミットがありますので、男性とは多少意識が違うかもしれません。ただ変化の方向性という意味では、同様かと思います。