2010年は、iPadがリリースされ「電子書籍リーダー元年」ともいうべき年。では、これらのデジタルデバイスは、読みやすさの面でも、従来の紙を超えたのでしょうか?

このテーマについて、ウェブユーザビリティの第一人者、ヤコブ・ニールセン(Jakob Nielsen)博士がちょっとした調査を行いました。

 米コンピュータ誌「PC World」によると、読書好きの24名を対象に『Kindle 2』、『iPad』(iBooksを使用)、PCのモニター、紙製の本の、4つのメディアで、ヘミングウェイのショートストーリーを読ませ、その速度と理解度を比較しました。実験結果によると、明らかに一番速く読めたのは紙製の本だったとか。

紙に比べて、『iPad』は6.2%遅く、『Kindle 2』は10.7%遅かったそうです。また、読む速度はともかく、被験者の間で人気が高かったのは、『iPad』や『Kindle 2』などの電子タブレット。紙よりも、これらの電子タブレットの方が好まれたそうです。一方、PCモニターは読書用のプラットフォームとしては、不人気だったとか。

もちろん、この調査結果は小規模で限定的なものですが、仮説のひとつとして「電子書籍リーダーは、読む速さという面で、紙にまだ追いついていない」と考えられるかもしれません。また、年齢によって、メディアごとの読むスピードに、何らかの特徴があるかもしれませんね。いずれにしろ、さらなる研究結果が待たれるところです。

電子書籍リーダーを愛用されている方々は、紙メディアに比べて、どのような印象をもたれていますか? 「チョー便利! 一度使うと手放せない」、「実は紙のほうが読みやすいけど、我慢して使ってる」などなど、感想やご意見を、コメントでぜひお寄せください。

Reading on Paper is Faster than iBooks on the iPad [PC World]

Adam Pash(原文/訳:松岡由希子)