脱いでも美しかった! 新発売の「MacBook Air」11.6インチモデルを速攻で丸裸に分解...

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    脱いでも美しかった! 新発売の「MacBook Air」11.6インチモデルを速攻で丸裸に分解...

    ジョブズは見せたくなかった秘密もいっぱい...

    早くも米大手メディアでは絶賛評価まで飛び出しちゃってきている新しく生まれ変わった「MacBook Air」ですけど、ギズ読者の皆さまは購入なさいますか? えっ、もう速攻で手に入れちゃった人もいたりして~

    MacBook Airはネットブックよりも使えるのか...などなどのユーザー目線での評価レビューは他に譲るといたしまして、いざ本当にどのモデルを購入するべきかの決断を下すためにも、やっぱりここはこれまで数々のアップル製品も発売と同時に一気に丸裸にして秘密を暴いてきたiFixit分解速報レポートに注目するしかありませんよね。いろいろ今回も驚きの新事実がたくさん隠れているかもしれません。早速まずはのぞいてみることにいたしましょう!

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    今回の徹底分解レポートに晴れて採用されましたのは、やはり最も新しくなって注目の11.6インチモデルのMacBook Airでございます。モデルナンバーは「A1370」になっている、こちらの期待のMacBook Airは、フラッシュストレージの容量で64GBモデルか128GBモデルかを選択しますよ。なんかいざ実際にアンボックスの瞬間の正直な感想は、こんなにも軽く薄くなったのかって、分かってはいたものの、それでもうれしい驚きがあるというところでしょうか!

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    光学ドライブがないため、MacBook Airにはリカバリー用にUSB再インストールドライブが付属していますよ。通常のDVDリカバリーディスクと同様に、起動時に「C」を押し続けると、こちらのUSBドライブに入ったレストア用のソフトウェアが立ち上がる仕組みですね。8GBのUSBドライブの中には、Mac OS X 10.6の「Snow Leopard」「iLife '11」が収められています。ちなみにこのリカバリー専用に付属するUSBドライブは自由に書き込みできない仕様なんですけど、本当に通常のUSBドライブとして読み書き可能なストレージにならないのかどうかまでは試す時間がありませんでしたね。どなたか挑戦してみられませんか?

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    MacBook Air向けのMagSafeの電源アダプターは、旧モデルと仕様は同じで45W、3.1A、14.5Vになっているんですが、なんと実際に比べてみますと、こちらも本体の薄型軽量化に合わせてか、若干ですがコンパクトサイズになっていましたよ。

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    新しくなったMacBook Airの変更点の1つに、電源ボタンのポジションが挙げられますね。新モデルではキーボードの配列に電源ボタンが統合されて配列されるようになった感じです。このほうがカッコイイような気もしますでしょうかね...

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    じゃじゃ~ん。旧モデルと新モデルを重ねてみましたが、当たり前ですけど、11.6インチモデルに小さくなったデザインが際立ちますね! 実際に新モデルのサイズを測ってみますと、幅は11.8インチ(約29.95cm)で奥行きは7.56インチ(約19.2cm)となっていました。そして新モデルは薄さもさらにヤバくって、本体最薄部の厚みは0.11インチ(約0.3cm)となっており、最も分厚いところでも薄さ0.68インチ(約1.7cm)しかありませんよ。下手な切れ味の刃物よりもシャープかも...なんて指摘まで出てきてましたかねぇ。

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    さてさて、そのまま旧モデルと新モデルのフロントビューを見比べてみましょう。やや残念なポイントなのかもしれませんが、新モデルになって、赤外線の受光センサーやスリープサインのLEDがなくなってしまったことが判明してますよ。

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    そのまま右サイドを見比べてみますと、新モデルではUSB2.0ポートが剥き出しになっている様子が分かりますね。あの旧モデルのフリップオープンなポートドアーが消えてしまうのは悲しいな~

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    さて、今回の新MacBook Airの分解レポートに挑んで最大の驚きは、アップルが採用してきた不思議な形のネジですよ。えっ、はっきり言いまして、普通のドライバーなんかじゃビクともしないではありませんか! これは勝手に開けるなってことでしょうかね? ユーザーは普通にアップルが完成させた製品をおとなしく分解なんかしようとせずに使ってればいいんだ...という、アップルからの強力なメッセージが伝わってきたような気持ちになっちゃいましたね。つまり、ここから先はアップルしか知らない世界が待っているってことですよ。

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    はっきり言いまして、非常に手こずりました。数々の分解作業に挑んできたiFixitでさえも難航したということは、どうやら簡単にはユーザーには開けられないってことですよ。ただし、いざアップルが新採用してきた特殊形状のネジを回すことにさえ成功すれば、あとはいとも簡単にケースの中からバッテリーが顔を出しますよ。

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    6セルのリチウムポリマーバッテリーがズラリと並ぶ新MacBook Airは、最長で30日間のスタンバイ、連続使用は最高5時間とアナウンスされていますよ。実際にギズで使い倒してベンチマークを取ってみた結果もまずまずというところでしたがね。これまでの13インチモデルのバッテリーパックが37Whないしは40Whとなっていたのに対して、11.6インチとディスプレイサイズが小さくなり、HDDを搭載しない新モデルのバッテリーパックは35Whへのスリムダウンに成功している感じですよ。

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    今回の分解レポートには、64GBのフラッシュストレージ容量のモデルを使用しましたが、こちらがロジックボードから取り外されるフラッシュストレージボードの様子です。あの最初に驚かされたアップルの特殊ネジの難関さえクリアできれば、ここまでいとも簡単に辿り着けるというのは皮肉なことですね。ただ、どうやらこのストレージドライブもアップルの特注仕様のようでして、アップルのサポートと助けを得ることなく、たとえ頑張って取り外せたとしても、容易に自分では新しい物に交換できないようになっています。要は開けたりするなってことだよって声まで聞こえてきそうですよ...

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    下側に写るフラッシュストレージボードには、東芝製の16GBの「TH58NVG7D7FBASB」フラッシュチップが4個搭載され、合計すると64GBとなるようになっていますね。東芝製のSSDコントローラーチップ「T6UG1XBG」も確認できました。一方、上側には同じく東芝製の新たに2.45mmの薄さまで小型化されたSSDが写っており、モデルナンバーは「THNSNC064GMDJ」となっていますよ。この辺りが今回の新モデルでさらなる薄型化に成功した大きな要因でもあるでしょうね。

    さてさて、こちらはBroadcom製のWi-FiおよびBluetoothの通信チップなんですけど、どうやら現行の「MacBook Pro」のラインナップと同じ「BCM943224PCIEBT2」チップが採用されているみたいですね。

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    MacBook Airの冷却システム構造を一手に担うのは、こちらの1個のファンのみなんですが、やはり今までに見てきたように、このファンも通常の「MacBook」シリーズよりは一回り小さくなっていますね。

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    MagSafeの電源ポート、USBポート、サウンドカードは、すべて同じ小さなボードに載っていて、ロジックボードに接続されていました。Cirrus Logic製の「4206ACNZ」オーディオコントローラーは、ユニボディー構造のMacBookおよび最新モデルの「Mac mini」に搭載されていたのと同じモデルですよ。

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    まぁ、これまでのMacBook Airだってそうだったから大きく期待はしてませんでしたけど、しっかりとRAMメモリーはロジックボードに半田付けされており自分でアップグレードするのは不可能でしょうね。今回の分解モデルには2GBのDDR3 SDRAMが搭載されていましたが、購入時にはオプションで4GBにアップグレードできます。といいますか、購入時にオプション選択しなければ、購入後は一切アップグレード不可と言うほうが正しいでしょうかね。迷わず最初から4GBで購入しておくことをお勧めいたしますよ~

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    新しいMacBook Airのヒートシンクは、過去のどのモデルよりも非常にコンパクトな構造になっていましたよ。わずかに10グラムの重量しかありませんでしたね。今回の分解モデルには、1.4GHzのIntel製「Core 2 Duo」プロセッサーが採用されているんですが、このヒートシンクから察するに、かなり低消費電力のチップであることは間違いなさそうです...

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    ロジックボードを詳しく見ていきますと、レッドラインで囲まれたところに先ほど取り上げたCore 2 Duoプロセッサーが、オレンジラインで囲まれたところにはNVIDIA製の「GeForce 320M」グラフィックスチップが、イエローラインで囲まれたところにはエルピーダメモリ製の2GBの「J1108EFBG-AE-F」メモリーが写っていますよ。

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    さて、いよいよここからは徹底分解のプロのiFixitならではの、プラスチック製のオープナーツールを用いたこじ開け作業に入っていきましょう。まずはスピーカーが飛び出してきましたよ。ステレオサウンドなのはいいんですけど、意外とこのスピーカーが電源を食っていることが判明しちゃいましたね~

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    トラックパッドの裏には、Broadcom製の「BCM5976A0K」チップが搭載されていましたよ。このチップのおかげで、スムーズなマルチタッチ機能が実現しているんでしょうね。

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    上下に新旧モデルのMacBook Airから取り外したディスプレイ部分を並べて比べてみた感じです。よくよく見てみると、以前はディスプレイ部分にセットになっていたマイクの位置が、新モデルでは移動してしまっているのが分かるんですけど、新たにヘッドフォンジャックの真横にマイクが装備されるようになりましたね。11.6インチの新モデルのディスプレイ解像度は1366×768ピクセルを実現するのに対して、旧モデルの解像度は1280×800ピクセル止まりとなっていますよ。この比較からも、やっぱり新モデルこそ買いなポイントがいろいろと多いことが分かるような気もしますかね...

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    いかがでしたでしょうか? そもそも簡単にはユーザーが自分で開けられない構造を採用し、たとえ分解に成功したとしても、自分ではパーツを用意して交換したりアップグレードしたりできないようにしているアップルのこだわりが、これまた露骨に伝わってきたような感じでもありますかね。それでも、なかなかのお勧め度なモデルであることに代わりはないみたいです。ぜひ購入時には、よくよく仕様を選択してからゲットするようにしてくださいね!

    [iFixit]

    Rosa Golijan(原文/湯木進悟)