シャープ、電子書籍本格参入 出版社に連携呼びかけ
新書・週刊誌2サイズを開発
シャープは20日、電子書籍事業に年内にも本格参入すると発表した。電子書籍用端末を発売するほか、出版社などに幅広く連携を呼びかけ電子書籍の配信サービスも始める。日本語独特の表記に適した独自の電子書籍規格をテコにコンテンツを増やし、広がる電子書籍市場での成長を目指す。
同日、都内で記者会見した大畠昌巳執行役員は「魅力的なコンテンツを素早く簡単に電子化できる。日本の電子書籍ライフを新しくしたい」と強調した。具体的な配信方法や価格は今後詰める。
タッチパネル機能付き液晶パネルで新書サイズ(5.5型)と週刊誌サイズ(10.8型)の開発を進めている。コンテンツは日本経済新聞社や毎日新聞社のほか、日本電子書籍出版社協会に加盟する大手出版社などが供給する予定。
シャープは携帯電話など向けの技術をベースにして、日本語表記に適した電子書籍規格を開発。既に携帯電話やゲーム機向けに発売済みの書籍3万種類が新端末で読めるほか、動画や音声を盛り込んだ電子書籍が容易につくれるようになる。著作権保護機能や動作の安定性などで出版社などから信頼を得ているのが強みだ。
シャープは海外でも電子書籍事業を展開する方針。米国市場での連携に向け米通信大手のベライゾン・ワイヤレスと交渉している。