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原宿「コロンバン」屋上でミツバチ12万匹飼育-パワースポットから収みつ

ミツバチ12万匹を飼育する「コロンバン」屋上

ミツバチ12万匹を飼育する「コロンバン」屋上

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 表参道沿いの「コロンバン原宿本店」(渋谷区神宮前6)屋上で現在、ミツバチ約12万匹が飼育されている。

巣板に群がるミツバチ

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 洋菓子の製造・販売などを手がけるコロンバンが展開している同プロジェクトは、原宿で養蜂(ようほう)経験を持つ「ミツバチ産業」(目黒区)の協力の下、5月から同所に4つの巣箱を設置し約12万匹のミツバチを飼育している。

 昨年、創業85周年を迎えたのを機に、エコキャップの回収活動や「原宿ロール」の売り上げの一部をワクチンの購入費用に充てるなどの社会貢献事業に取り組む同社は、「食により直結するかたちで社会貢献ができないか」と模索してきた。

 そうした中、同社の小澤俊文社長が知り合いの養蜂家から、「ミツバチが世界中で消えてきている」状況や「原宿が養蜂に優れた地である」という話を聞き、「ハチミツは洋菓子の食材としてもとても身近な存在」であることや「ミツバチの花粉媒介は環境の維持・保護に大きな役割を担う」ことから養蜂への取り組みを決めた。

 ただ、都会での養蜂には苦労も伴う。同社東京営業部課長の金居章二さんによると、「ハチがスムーズに収みつ活動に出られるよう」屋上にフェンスを張りビル風対策を講じているほか、暑さ対策として巣箱に断熱材を設置したり打ち水を行ったりするなどしているという。「扱いが乱暴だと気の荒いハチになるので、怒らせないように丁寧に優しく接するようにしている」とも。

 みつの集まり具合を見ながら、10日~2週間に1回の頻度で採みつを実施。採れる量は1回平均30~40キロで、多い日には70キロ近く採れた日も。これまでに採れたみつの量は約230キロに上る。

 ミツバチは半径約3キロの行動範囲の中で収みつ活動を行っていることから、同店に近い明治神宮や代々木公園、明治神宮外苑などが「主要収みつエリア」と見られる。「東京のパワースポットとも言われるような神聖な場所から花々のみつを集めてきてくれているので、『原宿はちみつ』を召し上がる皆さまにも幸せを運んできてくれたら」と金居さん。

 小澤社長は「原宿にはかつて都内有数の養蜂場があった。これを復活することで、原宿の伝統と文化を発信できれば」と話す。同ビル屋上で1年間の養蜂体験を経てノウハウを蓄積し、将来的には渋谷コロンバンビル(神南1)屋上での養蜂も視野に入れるという。

 8月8日から同サロンで、「原宿はちみつ」を使った「原宿はちみつプリン」を期間限定で提供する予定。

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