iPhoneアプリを販売するiTunesの「App Store」で日本人作家の著作が無断で電子書籍化されて販売されていることが最近問題になったが、実用アプリでも他人のコンテンツを無断で使用した海賊版が出回っている。販売前に審査をするApp StoreではAndroidなどと比べてアプリの信頼性が高いとされているが、実際には審査をすり抜けたアプリによる無法が横行しているようだ。
はし袋を使った折り紙を解説する「箸袋折紙」というアプリ(115円)は、すべてのコンテンツを、「nanapi」など複数のサイトから無断転載している。販売元は「Zhao Qi」と名乗っており、販売ページからリンクしているTwitterによると、北京と東京と千葉に拠点があるという。
同アプリのレビュー欄には、nanapiを運営するロケットスタートの古川健介社長が「すべて他のサイトのパクリですね。そのまんまコピーしてるようです。しかも六件しかない。文章がないのもあります。今まで見たアプリで最もひどいです」と怒りのコメントを投稿している。
ほかにも、夢判断サイトの内容を無断転載したとみられるアプリや、Webで公開されているIT用語辞典を無断転載したとみられるものなど、海賊版と思われるさまざまなアプリが。中国の業者が販売元とみられるものも多い。
iTunesで海賊版アプリが出回っていることは以前から指摘されており、自分が作ったサイトの海賊版アプリが売られていたとブログで訴えた人がいたり、任天堂のゲームの海賊版が話題になったこともある。
Appleはアプリを事前にチェックした上でApp Storeに公開しており、著作権侵害の指摘があれば削除も行っているようだが、相次ぐ海賊版アプリの発覚で、チェック体制が改めて問われそうだ。
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