落し穴 | Flog

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Frogの研究者の息抜きblog

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高柳 健次郎の生誕111周年。最初のテレビ画像は『イ』だったんですね。

ふと気付いたら、今日は、記念日でした。以前にも触れていましたね。何処かへ、美味しいモノでも食べに行こうかと思いましたが、時間が遅くなって断念。


今日も、job seminarが有りましたが、前回で懲りたので、行かず(笑)。代わりに、と云う訳ではないですが、Jeremy Nathansのseminarに、遠くの建物まで、行って来ました。ぅ~ん、大満足。流石ですねぇ。



またしても、twitterネタですが、元論文はコチラnaturenewsはこちら

Dictyは、以前にも触れたことがありますが、古くから使われているモデル生物のひとつですが、逆に云えば、それが仇となっていたようで、と云うのも、今、一般に使われている『株』は、1930年代に樹立された物で、lab内で実験するには最適な物な訳ですが、実は其の所為で見過されていたことがあった訳です。

Dictyは、胞子から発芽するとアメーバーとなって、バクテリアを補食し乍ら分裂して増えて行きますが、餌を食べ尽くすと、アメーバーが集ってナメクジ状の集合体を作り、餌の有りそうな場所へ移動して行き、そこで、子実体を形成して、胞子を造ります(☞ 最初に戻る)。つまり、植物の様な、動物の様な、単細胞の様な、多細胞の様な、非常に面白い生き物で、私の好きな生き物のひとつですが、上のような生活環が教科書に書かれている訳ですが、野外に居る、正に野棲のDictyを単離して、35株を比べると云うようなことをすると、うち数株で変わった現象が見られました。

何と、集合体の中に、餌のバクテリアを抱え込んでいるらしく、移動先で、そのバクテリアを蒔いて、バクテリアを繁殖させて、それを餌にすると云う、正に農業を行なっていることが判明。

いやはや、驚きです。遺伝子だけ眺めて居ても、また、確立された株だけ使っていただけでは、決して分らなかったことですね。

モデル生物で分ることは沢山有る訳ですが、こう云った落とし穴もあることを、常日頃、肝に銘じておきたいものです。

Wed, Jan 19