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NPO法人「ドネーションシップわかちあい」事務局ブログです

ブラジルNPOのゲストからベーシックインカムの話を聞きました

2010-11-29 12:11:19 | ベーシックインカム
※ドネ会員ページの事務局日記より紹介します

◆ブラジルのゲストからベーシックインカムのお話を聞きました

ベーシックインカム(基本所得)は
すべての人に無条件に生存に足る所得を保障する制度です。
地球規模の貧困、格差拡大のなかで、
破たんしつつある現行の社会保障の仕組みに変わる
あらたな社会保障の仕組みとして、
新しい社会、世の中への希望として、
注目されている考え方であり仕組みです。
現在 高齢になれば年金が、子どもには子ども手当がありますが、
同じようにどんな人も、
無条件で生活に足る最低限の所得を保障されるというものです。
・・・・・・・・・・・・・

ブラジルでは世界でただ一つ、
ベーシックインカムを法制化している国です。
現在それを段階的に実施していくというプロセスにあります。
11月28日、
そのブラジルでベーシックインカム実現のために活動するNPO
ヘ・シビタス(市民活性化研究所)の
ブルナさんとマルコスさんのお話を聞きました。
ブラジル・ベーシックインカムNPO交流プロジェクト↓
http://blog.goo.ne.jp/donationship/e/0191054d2edefa7ec51ae6b6b632655f

ヘ・シビタスは2006年から活動をスタートしました。
2004年にベーシックインカム法が成立したのですが、
財源がないということで、その実施はなかなかすすんでいません。
当初は政府への抵抗として、
ベーシックインカムの実施を迫っていくことを考えていたようですが、
政府がやらないのなら自分たちがやってやろうと、
ヘ・シビタスを立ち上げました。

カチンガ・ヴェーニョという100人程の農村コミュニティーで
実際にベーシックインカムの給付をはじめたのです。
住民は100人余り。
そのお宅を一軒一軒まわって、話を聞いてもらうことからはじめました。
自分たちの計画や意図を話しても、最初は不信感で、
「本当は何の目的なのか?」「裏に何があるのか?」
「誰か政治家の命を受けているのではないか?」
と疑う人が多かったそうです。
(確かに、突然知らない人が来て、毎月お金を支給しますと言われても、
 この人誰?怪しい?と思いますよね。)
単にお金をばらまくことではなく、
その奥にあるものを伝えようとしたと言っていました。
日々の生活が厳しいので、
ベーシックインカム自体を知らない人の方が多かったそうです。
それでも家々を回っていくなかで、
彼らの話を聞いてくれる人、計画を理解してくれる人もあり、
最初27人、1人に月30ヘアイス(1500円)で
給付がスタートします。(2008年10月)
村に通い続けるなかで彼らも徐々に信頼されて、
2010年8月現在、
カチンガ・ヴェーニョで77人がベーシックインカムを受給しています。

マルコスさんはベーシックインカムは
単にお金を配る、援助するのではなく、
権利を守っているのだと言います。
経済的に厳しい地域ではベーシックインカムとか権利とか言っても伝えられない。
現場を知って動いていく必要がある。
実際にお金を渡すことで、それがリアリティーになる。
彼らは毎週カチンガ・ヴェーニョを訪問して、
子どもたちに無償でおもちゃを貸し出す、本を貸し出すことをしています。
子どもたちはそれをとても楽しみにしているようです。
その場の大人たちとも話をします。
そうした実際の行動や会話や対話のなかから、
カチンガ・ヴェーニョのコミュニティーのなかで
お金を配るということだけではない
個々の意識や関係の変化が生まれていることを感じました。

厳しい生活のなかで食事にもこと欠いていたが、
ベーシックインカムの支給で子どもたちの栄養状態がよくなって、元気になった。
子どもの入院費用を賄うことができた。メガネを買ってやることができた。等々。
食料や衣服に使っているケースが多いそうです。
つみたてて電気製品を購入したり、
本当に貧しかった家を建て替えた家族もありました。
お菓子等をつくってコミュニティーのなかで販売する家族もでてきています。

住民調査でも、将来についての意識が変化したそうです。
これまでは今日のこと、明日のことしか考えられなかったけれど、
より遠い未来を考える人が増えたのだと、マルコスさんが言っていました。
ある住民が「私の子どもに弁護士か医者になってほしい」と言うの聞いて、
驚くとともに感動したそうです。
これまでそんな話を聞いたことがなかったと。
今お金が必要な人に、渡す必要があるんだという言葉の意味を
しっかり受けとめたいと思います。
貧困、生存は、めのまえの具体的な人間の問題だから。

政府がやらないなら自分たちがやろうと、
寄付を募って実際に動きはじめた
ブルナさん、マルコスさんたちの実践とチャレンジに
親近感を感じると同時に、
あらためてベーシックインカムを実現したいと思いました。
ブルナさん、マルコスさん、ありがとう!!!
誰もが等しくそのいのちを尊重され、
安心して暮らせる社会に向っていきたいです。

まずはブラジルの話を紹介しました。
イベントにはドネメンバーのISSINが音楽で参加してくれました。(ありがとう♪)
興味深い中川村訪問の報告や、ナミビアの報告もありました。
http://www.vill.nakagawa.nagano.jp/intro/v_chief/068_20101111.html
ドネのなかでベーシックインカムに関心を持つ仲間もたくさん来てくれました。
会場で皆さんにお会いできてうれしかったです。
貴重なお話を聞く機会を下さった山森さんに感謝するとともに、
今回のイベントを共催さえてもらえてよかったと思いました。
また皆さんから補足や感想や報告も聞かせて下さいね。

・・(追記・12/2)↓感想もこのブログで紹介しました・・・
http://blog.goo.ne.jp/donationship/e/e418e05d387f8c4568fddf9e0101dbce


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