言うまでもなく、名作漫画の実写版映画である。

NEWSの山下智久が主演ということで、実はアイドル映画かと思っていた。
正直、あまり期待していなかったのだが、なんのなんの、素晴らしい仕上がり。
文句なしに楽しめる内容だった。

原作にかなり忠実にプロットしたつくり。
妥協せずに撮り切った映像美。
そして何より、役作りのために体脂肪率5%まで鍛え上げた山下智久と、なんと3%まで減量した伊勢谷友介。
まさに丹下段平になりきった香川照之。
どの役者も、ほんとうに素晴らしい。

特に力石徹のノーガード戦法のシーンは、まるで漫画を読んでいるかのような錯覚を覚えるほど、見事な再現ぶりだった。
往々にしてこの手の映画はチャラチャラした肉体でやたら強い役を演じてシラケるのだが、本当に違和感なく見ることができた。

セットも、昭和の香りプンプンで懐かしかった。
私が小学校に入る前には、家の近所はあんな猥雑な感じが残っていたものだ。
リアルタイムで漫画を読んでいた世代としては、嬉しい限りだ。

エンドロールもモノクロでカッコイイ。

あえて重箱の隅をつつけば、もう少し矢吹丈が刑務所内で虐められないといけないのでは?
香里奈のポジションが、ちょっと微妙?
そのくらいしか思いつかない。

日本映画もやるじゃないの。