Clear Consideration(大学職員の教育分析)

大学職員が大学教育、高等教育政策について自身の視点で分析します

留学生の日本離れをいかにして食い止めるか

high190です。
東日本大震災の影響を受けて留学生の日本離れが進んでいることは各種報道で明らかになっている通りです。しかしながら、留学生30万人計画
大学は留学生の日本離れに歯止めをかけるべく、これから様々な対策を練っていく必要があります。


外国人留学生の日本離れを受け、文部科学省は全国各地の大学を抽出して実態調査を始めた。集計中だが、4月下旬時点で見込まれていた留学生の約2割が来日をキャンセルしたり、帰国したままだった可能性があるという。同省は「グローバル時代を迎える中、大学の国際化の遅れは日本の競争力低下につながる」と懸念を強めている。
大学関係者によると、入学辞退や途中帰国が多いのは、大学間の協定に基づいて学生を短期間派遣し合う交換留学生。留学を中断しても母国の大学で単位取得が可能なため来日を見送りやすいという。一方、日本の大学で学位の取得を目指す正規留学生は、いったん帰国しても戻ってくるケースが多い。文科省は対策として被災地の大学の国費留学生に再来日用の航空券を無償支給するほか、私費留学生への学習奨励費の支給枠の拡大を決めた。同省ホームページや動画サイトなどを通じ、日本の大学で通常通り授業が行われていることもアピールする。
日本学生支援機構によると、昨年5月時点で日本の大学に在籍する留学生は約14万人で、約4200人が東北地方の大学に通っていた。政府は30万人の留学生受け入れを目指している。

留学生を多く抱える国際教養大学の中嶋学長は、今回の震災で日本の対外発信力の弱さを痛感したとのこと。
正しい情報を対外的にどう発信して理解を得ていくのかが、留学生の日本離れに対する最も重要なポイントであることは言うまでもないことです。

では具体的にどのようにして留学生へ正しい情報を伝えるか?が問題になります。
大学が公式Webサイト上で正確な情報を発信することはもちろんですが、海外に直接出向いて説明するという方法もあります。女子美術大学は韓国で留学生向けの震災対策説明会を開催して一定の成果を上げています。

政府が平成20年に発表した「留学生30万人計画」では、2020年までに日本への留学生を30万人に拡大することが目標に掲げられています。
対外発信力の強化は日本国として取り組むべき重要課題ですが、今後の留学生数の増減が客観的な日本の対外発信力を図る指標になるかも知れません。