【コラム】科学者の仕事は30年後には誰も見てくれません

先日紹介したNATIONAL GALLERY OF ARTやThe Phillips Collectionの作品を見ていて、アチャーと感じたのがこれ。
【コラム】NATIONAL GALLERY OF ART 芸術は科学だったのか? | AMOKの庵 - 楽天ブログ
【コラム】The Phillips Collection - AMOKNの日記


絵画は100年以上後の人に訴えかける力があるんですよ。


ところが、科学の業績となるとどうでしょうか。
一番最近自分の書いた論文のリファレンスを見てみて、一番古い論文はせいぜい20年前のものです。


科学の業績は30年すら保たないんです。


いやいや、一つ一つの小さな仕事が積み重なって、新しい事実が発見されているんだと科学者はいうでしょう。


でも、科学の結果の半分は間違いなんです。これは別に捏造したとかの話ではなくて、技術革新を経ることで過去の概念がひっくり返るのはよくあることなんです。


その場合、礎どころか、逆に邪魔にすらなっているわけです。


また、9割以上の仕事が銅鉄実験と言っても良いでしょう。



科学を真実を求めて高く高く積み上げるピラミッドに例えると、本当にピラミッドの一部になっているのはせいぜい10%くらいで残りはそこに運ぶ途中で見捨てられて放置され、場合によっては道をふさいでいる岩石になっているわけです。



たぶん、あと10年から15年位すると、
えぇーーー、昔は遺伝子の発現量を一つ一つ見てたんですか?
なんで、そんな面倒なことを。Quantitative microarrayで一気に全部の遺伝子の発現を簡単に観られるのにーーーってなことになるはずです。蛋白質量もそのうち、MS/MS使って全部定量が当たり前の世界になります。



だから、科学者はノーベル賞を取りたがるのです。私は一度も欲しいと思ったことはありませんが。ノーベル賞の仕事なら100年後でもどこかで取り上げてくれます。




そして、そういった過去の有名な科学者の業績はイントロでよく使われます。


但し、その場合、過去にこう予測されていたけど、実は違ったんだというディスると共に俺スゲーの目的のために使われるんですけどね。もちろん、口ではその業績をたたえているんですよ。でも、目的は私スゲーです(毒)。



しかし、そう考えると本当に科学者がやるべき方向性が見えてくるんですよ。


この仕事が100年後に残る仕事か、100年後に役立つ仕事か、と考えれば、どんなにキャッチーでセクシーでホットな研究内容でもやるに値するかどうかを判断出来ます。





そういう仕事になるなと思っていたプロジェクトが最近ポシャったw
ゲノムのガード固すぎ