中国、太陽光発電5年で10倍に 原発建設に不透明感
【北京=多部田俊輔】中国政府は2015年末をめどに太陽光発電の発電能力を10年末の10倍の1千万キロワットに増やす方向で検討に入った。東日本大震災による福島第1原子力発電所の事故を受け、中国国内の原発建設に不確定要素が生まれているための措置だという。従来は15年に500万キロワットを計画しており、目標値を2倍に上方修正する。
国家エネルギー局幹部が30日、明らかにした。昨年末の太陽光発電の発電能力は約100万キロワット。従来計画では太陽光発電の発電能力を15年に500万キロワット、20年に2千万キロワットに増やす計画だった。新計画では15年に1千万キロワット、20年に5千万キロワットに増やす方向で検討する。
中国政府は20年末に原発の発電能力を10年末の約8倍の8600万キロワットに増やす方針だった。しかし、国民の原発への不安が高まっているため、政府は原発の安全計画を策定中で、原発建設の承認を一時的に中止している。原発建設がスピードダウンするとの見方が広がっている。