情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

放射性能汚染水の廃棄に大いなる疑問~東京電力、深夜の会見で

2011-04-05 09:39:41 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 東電の5日未明の記者会見で、福島第1原発の5、6号機の建屋の地下水(法的に放出できる放射能汚染の基準値の数百倍)をくみ上げて排水する必要性について、質問したが、東電からまともな回答は得られなかった。あの会見の状況からは、正直、必要性のない排水をしているのではないかという疑問を払しょくできない。

 東電の説明は、6号機の建屋の地下に毎分2リットルの水が流れ込み、かつ、ほかにも多数水が浸入しており、建屋内の機械類が水によって破損する可能性が高いために、建屋の地下に水が流れ込まないように建屋の周辺の地下水をくみ上げて海へ放水するのだという。

 しかし、それを裏付ける写真もなければ、毎分2リットル以外の多数の場所についての具体的な説明はできない。

 こんな説明で政府が本来、違法な濃度の汚染水を海洋へ投棄するよう命令したのか、と聞くと、くわしく説明しているはずだという。

 それなら、その政府に説明した通りの説明をいまここでしてくれというと後で説明するという。

 そこで、記者にそのような説明をするだけでよいという判断をした責任者の名前(=その時点での統合対策本部の責任者)の名前を明らかにするように迫ると、それは言えないという。

 何を聞いても答えない。海洋投棄するだけの必要性がまったく感じられないのだ。


 海洋への放水をしているのは、5,6号機の建屋周りの地下水のほか、集中廃棄物処理施設に貯まっている1万トンの低濃度汚染水だ。こちらは、2号機のトレンチに貯まっている高濃度の汚染水を運ぶ先として必要だということだが、現在、すでに、復水器というものを空っぽにしてそちらに入れる予定であるため、あえて海洋投棄をするだけの緊急性はまったく感じられない。


 この日の会見では、2号機のトレンチの汚染水を入れるための仮設タンクの発注日を聞いたがこれも答えなかった。


 以上の事実からは、東京電力(及び統合対策本部)は、24日に2、3号機のタービン建屋地下で高濃度の汚染水が大量に貯まっているのを確認したにもかかわらず、原子炉に冷却のために投入している水が外へ放出されている可能性を無視して、汚染水が流れ出した時のための仮設タンクの発注をせず、トレンチの水が見つかってあわてて対処するという決定的なミスをし、さらに、トレンチからピットを通って毎時何万トンもの高濃度汚染水が放水されていることが発覚したため、あわてて、2号機のトレンチの汚染水を入れるための容器をあらゆる手段を通じて確保しようとしているとしか思えない。

 5、6号機の周辺の海洋投棄は、この2号機を巡るミスを隠すための、目くらましと考えるのが、合理的だ。

 今回のことが私の勘ぐりにすぎないとしても、これまでの情報提供の遅れはすでに海外メディアから非難され始めている。日本はもはや同情の対象ではなくなっているのだ。東電及び統合本部がこれまでの情報提供の方法に誤りがあったことを認め、正確な情報を公開しなければ、日本は世界から完全に敵視されるだろう。

 いまの日本を次世代に継ぐためにできることは何か、東電及び統合本部の責任者に問いかけたい。


 …もし、私の推測が正しいとすると、いまごろ、現地では、本社の発表に合わせて5、6号機に水漏れがあったなどという報告書を作成させられているかもしれない。その場合、1ミリリットルの汚染水さえ漏らさないという努力を重ねてきた従業員が自ら汚染水の放出を正当化するための偽りの報告書を作成させられていることになる。その心中やいかに。

 


◆以下参考◆


原子炉建屋とタービン建屋の図。クリックで拡大できます。

   ↓

 


【日弁連会長声明】
「東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故に関する会長声明」 http://ow.ly/4n21n

●今後想定されるあらゆる事態、並びに、各地の放射能汚染の実情と被曝による長期的なリスクに関する情報、被曝防護に関する情報を正確かつ迅速に国民に提供し、適切な範囲の住民を速やかに避難させるよう求めるとともに、原発の新増設停止、既存原発についても電力需給を勘案しつつ危険性の高いものからの段階的停止を提言



◆参加してみました。クリックお願いします。
   ↓
人気ブログランキングへ

◆持ち込み可視化についてアンケート実施しました。ご協力ありがとうございました。
   ↓
http://blog.with2.net/vote/?m=v&id=57952

【ツイッターアカウント】yamebun


●沖縄への連帯ツイッターキャンぺーン●

【ツイッターアカウント】@BarackObama

【メール】→http://www.whitehouse.gov/contactから


【ツイッター例文】
JAPAN IS NOT US'S COLONY! We won't support US BASE. All US BASE OUT! from our country.

Please HELP Okinawa. 75% of the American bases in JP is in the islands, only 0.6% of JP land. Relocate #Futenma base outside.

Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.

Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko


At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8



【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて:Gilbert's Nuremberg Diary)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。


最新の画像もっと見る