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汚染水の浄化装置停止、あふれるまで猶予は10日

2011年6月19日1時45分

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図:汚染水浄化処理のながれ拡大汚染水浄化処理のながれ

 東京電力福島第一原子力発電所で放射能汚染水の浄化処理装置がトラブルで停止した問題で、東電は18日、汚染水に汚泥など不純物が多く含まれていた可能性があると発表した。放射性物質を多く含む不純物が、吸着材に予想以上にくっついたとみられる。原因究明には数日かかるとみられる。あと10日ほどで再稼働しないと、高濃度汚染水の行き場がなくなり、あふれ出しかねない。

 東電は、津波による海水や汚泥、機器から漏れた油などの不純物が汚染水に多く含まれていると推定する。高い放射線量の不純物が浄化処理装置に付着したかもしれないという。

 装置内のカートリッジには放射性物質を吸着する鉱物ゼオライトが入れられ、汚染水に含まれる放射性物質が徐々にたまっていく。このため1カ月に1度の交換を想定していた。今回の停止は、放射線の計測値が交換基準を超えたためだったが、わずか5時間で交換が必要なほど吸着したとみられる。今後、不純物を除去したり、入り込まないようにしたりする対策を迫られることになる。

 また、計測機器が汚染水が流れる配管の近くに設置されてしまい、計測値を高くした可能性もあるという。

 今後、原因をつきとめ、同じトラブルが起きないように汚染水を流す量や方法などを見極める。対策にも時間が必要だ。ただ再稼働までの猶予は10日ほどしかない。現在、1〜3号機の原子炉を冷やすために1日500トン近く注水し、そのほとんどが高濃度の汚染水となり、タービン建屋などに約11万トンたまっている。

 汚染水をためられる場所は1号機タービン建屋内の復水器という機器と集中廃棄物処理施設内の建屋で計2200トン。しかし今の移送量のペースでは2日程度で満杯になる。あとは、タービン建屋にあふれないようにため続けるほかない。

 東電原子力・立地本部の松本純一本部長代理は「1週間程度で再稼働させないと厳しい。(汚染水を減らすために)原子炉への注水量を減らすことも検討している」と話した。(石塚広志、坪谷英紀)

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