“私”だけの神―平和と暴力のはざまにある宗教

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  • サイズ B6判/ページ数 321,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000257763
  • NDC分類 161.3
  • Cコード C0010

出版社内容情報

近代化の進行は社会の脱宗教化をもたらす――そう信じてきたわれわれの眼前にあるのは,世界各地で原理主義化を伴って進行する宗教への回帰現象だ.リスク化する世界の中で,その暴力的なポテンシャルが新たな摩擦と紛争の火種となっている宗教の,グローバル・アクターとし

内容説明

近代化は、世界を脱魔術化し合理化する普遍的な過程だったのか。宗教への原理主義的な回帰現象は、その本質的必然なのか。リスク化する世界のなかで、グローバル・アクターとしての宗教の可能性を問う。

目次

第1章 非社会学的序文―「自分自身の神」の日記、エティ・ヒレスム
第2章 社会学的序文―神々の回帰とヨーロッパ近代の危機
第3章 寛容と暴力―宗教の二つの顔
第4章 異端か、それとも「自分自身の神」の発明か
第5章 副次的結果の狡知―世界宗教の紛争を文明化するための五つのモデル
第6章 真理の代わりに平和を?世界リスク社会における宗教の未来

著者等紹介

ベック,ウルリッヒ[ベック,ウルリッヒ][Beck,Ulrich]
1944年生まれ。ドイツの社会学者。元ミュンヘン大学教授

鈴木直[スズキタダシ]
1949年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。現在、東京経済大学教授。専攻は近代ドイツ思想史・文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

15
2008年初出。一冊の本を、失敗作だと認める(1頁)。なかなかできないこと。社会学者ベック。神の自由が、必ず愛となるように自己限定をしてほしいと願っている(21頁)。自由を求めつつも自由として存在してほしくない、身勝手な人間か。世俗化論は進行する近代化過程における宗教の立場を、理解してきたか、と問われる(57頁)。多系的という。他義性の論理学(101頁)。コスモポリタン化とは、明確な境界線が浸食され、異質な他者との意図せざる衝突が世界規模で発生(102頁)。安倍首相らの領土主張と相反する社会事象であろう。2014/02/24

mittsko

5
大変な名著! 「宗教政治」の社会学、「再帰的近代」の宗教論にとって、のちのち古典となることまちがいなしの基本文献(=゚ω゚)ノ ただし、ゼッタイに忘れてならないのは この著作が、欧州のキリスト教世界についての研究であるということ この点でベックもかなり慎重に良心的なのだが、欧州知識人の常として ときどき自らの主張をうっかり「普遍化」して展開してしまっている 読者はそういうパートをしっかり嗅ぎとって、「あらあらもう、欧州知識人ったら…」と優しく微笑み、非西欧地域の歴史から批判を繰り出さねばならない2016/04/05

メルセ・ひすい

4
15-81 今、確かに紛争と宗教は地球を覆っている。近代化が脱宗教化=世俗化をもたらすかは、疑問視された。そしてポスト世俗化時代!の宗教のありようがモニュメント化された。経済的中間層が崩壊し、格差が解離し、低所得層の宗教感 凶暴・暴力性が抑制不能化している。鬱積した猛毒ガスは蓄積されている。…そうそうそう、近代化は世界を脱魔術化し、合理化する普遍的な過程だったのか。宗教への原理主義的な回帰現象は、その本質的必然なのか…。リスク化する世界の中で、グローバル・アクターとして宗教の可能性を問う。 2011/11/07

尊明

2
通読のみの読了なので、内容には踏み入った感想は上げない。さて、異質性を認めながら他者と連帯するのがコスモポリタニズムで、同質性を挙げるのが普遍主義である、という理解で良いだろうか。整理するために再読の必要性を痛感する。2013/11/27

nashcft

1
ベック自身が告白しているように、この本はキリスト教的視点を主軸とし、本書で「宗教」という単語が指すのは主に西洋諸国と関わりの深い宗教(イスラム、キリスト、ユダヤ)である事が殆どなので、宗教というと神道や仏教などを連想しやすい日本的感覚からはイメージし難い、もしくは是是という視点が抜けているのではないか、と思う事もあるかも知れない。そのような点に関しては自分で考えるのも面白いだろうし、そこを補完した新たな著作も期待したい。2013/11/28

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