前回投稿で、地殻変動のことに触れました。

3月9日に岐阜発信でもかなり揺れたし… 日本列島… こわ。NZと関係あるのかなあ。遠いけど、間にほとんど陸がない。」とツイートしていたことも。チリ沖地震で日本でも低いながらも津波が来たことも気になっていました。

そしたら今回の震災で、情報が入ってきました。まだ原発のことより地震・津波のことで一杯だった頃に見たのは、こちら。

東日本沖で起きた巨大地震について

(静岡大学防災総合センター教授 小山真人さん)のサイトに大きな図があります。

chihointokyoの毒皿ブログ-プレート断面図

日本列島は、東が「北米(オホーツク)プレート」の西端、西が「ユーラシアプレート」の東端に乗っているのがわかります。そして、地球で一番大きな「太平洋プレート」が、ぎゅっぎゅっと北米プレートを押している。

西日本は、手前にフィリピン・プレートが緩衝となっているので、今のところ落ち着いています。2000年以来地震が多く、地盤の揺れを計測したチャートがあるのですが、東日本は南信濃まで揺れが増えており、三重県志摩以西では揺れがありません。

chihointokyoの毒皿ブログ-スマトラ地震と日本の地震

こちらは、2004年の12月の地震以来、ほぼ毎年M7級以上の地震が起きているスマトラ島との比較。

多くの地震学者は東海・東南海地震が先に起こることを予想していたのですが、今回被災した、東日本のプレート境界が、先に活動期に入ったようなのです。

では何故、岐阜の地震のときに、中越地震並みに東京で強い揺れを感じたのか。岐阜の震源地は地下700kmだったか、かなり深い所だったので、地上で見ると東京でも大して距離は変わらないんですね。

上の断面図でみるとおり、太平洋プレートが下に1000kmも潜り込んでいるのですが、それが東西の境目に震源を作っている感じです。東日本が乗っかってる北米プレートの先端が岐阜の真下あたりを揺すった、という感じでしょうか。

下の画像は、広瀬隆広河隆一両氏による動画、

「福島原発現地報告と『原発震災』の真実」

から切り取ったスクリーンショット。

(動画は3月23日のものですが、ガイガーカウンタを持って福島原発そばまで行かれた、チェルノブイリ処理もご経験のある広河氏の報告20分、その後広瀬氏の熱のこもった解説、合計2時間ありますが、足りないくらい。映画より見応えあるので是非ご覧になってください。)

太平洋プレート境界

広瀬氏は、ここ数年間で、太平洋プレートの縁で起きた大地震は、この地殻が活発化してきた為と考えています。

日本のプレート境界

この上の画像は、日本で最近起きた火山噴火や地震とプレートの位置関係。太平洋プレートの側から来ています。西日本は、フィリピン・プレートの方角からも押してきてる感じ。

chihointokyoの毒皿ブログ-フォッサマグナへの圧力


東日本と西日本の境目の地溝帯(上の画像で肌色の地域)、をフォッサマグナ(Fossa Magna)と呼ぶのですが、太平洋側からそこへ向けて圧力がかかり続けている、と考えられる状況が起きているわけです。

chihointokyoの毒皿ブログ-フォッサマグナ

こちらのほうが見やすいかもしれません。瀬野徹三氏の公開講義(1)プレートテクトニクスと日本列島付近の地震
から拝借。

こうした大きなプレート境界だけでなく、活断層も走っています。ニュージーランドには約150本の活断層がありますが、その1.5倍の面積の日本は、約2,500の活断層があります。阪神淡路大震災はそんな活断層のズレで起こりました。

話は、東日本に戻りますが、関東大震災まで、小笠原方面が震源の大地震が、ほぼ73年おきに起きているので、これは周期的運動と思えます。その周期どおりなら1998年ごろに起きるはずでしたが、13年遅れました。遅れるということは地下でエネルギーがその分蓄えられているということで、より大きな地震が来る可能性が高かったそうです。

地震学者が悩むのは、いつどこで、というのはピンポイントで正確に言い当てることはできないこと。地球は生き物。ただ、活動的になったと判った場所では、リスクは高まるので、それなりの心構えが必要です。

この際、30年以内に東海地震が70%の確率で起きるなどという表現は、却って誤解を招くという批判がやっと出始めました。阪神淡路で学んだように、警告が出ていない地域であっても、日本全体、沖縄まで含めて、以上のような、活発な地殻変動の起こる場所に横たわっているので、どこで大地震が起きてもおかしくないのです。

震度3程度の地震が忘れた頃にやってくる程度の頃は、東京にいても、それほど大地震の心配は実感ありませんでした。東海地震や、東京直下型地震の話をされても、生きているうちに来るかどうかもわからないし、という感覚でした。

が、3月11日以来、余震が来ない日が無いまま1か月過ぎると、もう完全に感覚が変わりました。私だけではないと思います。震源地も日本の東半分のあちこちです。

私は、中東依存脱却してエネルギー自立するためには、原子力を上手に使うことが一番効率がいいのでは、と漠然と信じていました。フランス人がそれを選択するぐらいだから合理的なのだろうと。経済紙を読む層は、この発想になりがちです。

そして、フランスの隣のドイツが何故、原子力発電所が完成したのに、運転をやめたのかを忘れてしまいがちです。

ドイツはチェルノブイリからの風で、大気・土壌の放射能汚染を経験しました。原発の影響が解る医師らが先頭に立って原子力発電に反対したのです。だから国民が信頼しました。もし事故があったら、また、もし事故がなくても、私たちが今既に体験しつつあるように、被爆が起こり、それが何を意味するのか理解していたのです。

アメリカの25分の1の面積に、アメリカの半分の原発が林立。福島第一建設に関わったGE(ゼネラル・エレクトリック社)の元エンジニア、Pete Cartwright氏は、現在Calpineという米国最大の原子力ゼロの発電所を経営しています。

60年代に原子力に魅せられて研究し、実際にその実用化の問題点にぶつかった人たちは、既に別のエネルギーにシフトしているのです。

日本では、発電送電が独占的に9つの電力会社に握られており、消費者には選択肢がないので、一方的に大きなマネー、つまり利権が動きます。マスコミも大スポンサーである電力会社や、発電所建設を請け負う大手電機、また、そこへ天下る官僚に不利になるような報道はしません。

4月10日に東京の高円寺で行われた15,000人もの原発反対パレード
が、1日で百万円以上の寄付金を集めたことも、大手マスコミが一切報道せず、小さな集会を一瞬流しただけだったのも、そのためです。



デモというのは、日本では暴動シーンばかり大写しで報道されがちですが、民主主義の国では、ごく普通の市民活動です。選挙で意志を託した代表にまかせっきりではなく、自ら意思表示をすべきと思う場合の行動のひとつです。

高円寺だけでなく、全国各地の集会も合わせると、10日は特に、規模では歴史に残る市民行動となりました。視聴料をとるNHKが顧客に報道すべき大潮流を実質無視したということに大きな意味があります。主催者らはきちんと統制のとれた暴徒化しないパレードや集会となるよう配慮し、参加者の市民意識も高く、それはYouTube等の動画サイトにもいくつも記録されています。

主要ジャーナリストも含め、日本は言語鎖国、情報鎖国の中に取り残されています。このブログをご覧くださる方はネット接続しているわけですが、全人口の情報源のメインは今でも圧倒的にテレビ・大手新聞雑誌です。

各国では既に、日本では普及はまだまだと思い込んでいるような、風力発電や太陽光発電の比率が上がっており、国策として補助金で促進もしています。(日本の政府・行政は打切りました。)世界の代替エナジー関連特許の55%は日本のものなのです。

未だに、原発がないと深刻なエネルギー不足になると信じている人が多いのですが、東京電力の情報隠蔽発覚

によって、真実がわかってきました。燃料輸入が現状維持と仮定してですが、本当はわざと停止してある火力発電所を稼働すれば、真夏のピーク3日を含め電力供給能力は問題ありません。まして福島第一だけが崩壊して、大停電や計画停電となる根拠がないのです。

現に、2003年には、柏崎原発の事故がきっかけで、耐用年数を過ぎた原子炉を含みトラブル連続であった、東電所有のすべての原発、福島県と新潟県の合計17機を停止したのに、停電は起こってないのです。下が今も残る東京電力の公式発表です。つまり、事故後の計画停電の根拠はなかった。原発が無いとこんなに困るぞという威嚇が必要だったわけです。

TEPCO 原子力発電所6号機点検停止について

TEPCO 原子力発電所6号機点検停止について

省エネは、独占企業である電力会社からの自由を少しでも勝ち取るためにも、エコのためにもいいことですが、仮に、「原子力で3割」と信じ込まれている電力使用量が現在より減ったとして、1984年~89年のバブル期レベル。江戸時代に戻るわけではありません。(江戸時代でもエネルギー不足のせいで悲惨な生活を送ったりはしてませんよね?)

広河隆氏の著書、「原子炉時限爆弾」

はこちら。目次以外もかなり、なか見検索ができるので、上のピンボケ図も、白黒ですがもっとくっきり見れます。昨年(2010年8月)に出版され、今回の震災を予言することになってしまいました。

原子炉時限爆弾